【ネタバレ感想】ダイ・ハード/ラスト・デイ

まず先にいっておきたいのが、自分はダイハードが大好きです。
そんでもってさらに言うとブルース・ウィリスが大好きです。

ウィリスを好きになったきっかけがダイハードでした。
両親ともにダイハードが好きだったので、物心ついたときには家にダイハードのビデオがあって、1～3を繰り替えし見ていました。
子供心にも先が見たくて親に「4は出ないの？」と聞いたりしたものですが、親から聞いた当時の話では「ダイハードの印象が強くなりすぎちゃうからでないようにしているみたいだよ」とのことでした。それはもうしょんぼりです。

社会人になって。
ダイハード4が出ると聞いたときの喜びようはもう、言葉では言い尽くせないほどです。本当。
そして今回、タイトルに「ラスト」と入っていることから察することもできるんですけど、あんまり察したくないけど、たぶん「ラスト」になるんだろうなって思いながらもウキウキで見に行きました。ドキドキ。

一言でいえば感動。
ダイハードのファンなら「あああ、これがダイハードだよねー！！」みたいな要素が満載で嬉しいです。泣けます。
あと今回の「ラスト・デイ」で何がよかったかって「親子関係」と「1を彷彿とさせる演出」です。

親子関係については、前回の4の娘さんの登場から考えて、まぁ息子についてもひどいんだろうなと思っていたら案の定ひどい関係だったようですが、それでも息子がニュージャージーの007になっていたのは100％父親の背中を見ていたからだと思うんですよ。そうでもなければそのチョイスはありえないだろ！
ホテルの改築中のレストランでジャックがジョンに対するイメージとして「ワルをぶっころすイメージ」といっていたのが正にすべてで、父親がすきで、あこがれて、でも吹抜けてたように見えたのが許せなくて反発しちゃった感がありありと感じられて、このファザコンめ！とツッコみたいのを抑えるのが大変でした。
細かいところで捜査の進め方に反発おぼえてるとこもかわいいですね、まったく。

たぶんジャックは父親とはちがって、CIAの中では凄腕な優等生だったんだろうなと思います。そんなところに今回の大失敗をしでかして、心が折れたところにすかさず塩を塗りこむジョンにたまらなく親子の絆を感じました。男家族っていいなー。あれジョンがいなかったら、立ち直れなくてそれこそ3のジョンみたいなヘロヘロなやつになっちゃっててもおかしくなかったんだろうね。でもそれを父親のジョンが奮起させたところに、マクレーン親子の愛がうかがえます。泣ける。

1を彷彿とさせるシーンとして特徴的なのが、ラストデイの一番盛り上がる最後の見せ場です。
ラストデイでヘリで狙撃されている息子のジャックが、狙撃されている中走って犯人に突撃するシーン、また主犯格のコモロフがビルの上から落ちていくシーン。
これどちらもダイハード1で出てきた演出なんですね。

まずダイハード1をよーく思い出してください。思い出せなければ見直してください。
クリスマスの日に妻の会社に行ってパーリーしてたと思ったらテロがジャックではっはーんって内容だったのですが、その中で狙撃されながら走り抜けていくシーンと、主犯格のヤツがうっかりビルから落ちていくシーンがあります。そのシーンが正に今回の作品の中で表現されているんです。しかも、そのどちらも視点が息子のジャックなんです。
1では父親のジョンの視点で表現されていたものが、ラスト・デイでは息子のジャック視点になっている、この感動を共有してください誰か！

そう、ポイントとしてあげた「親子関係」「1を彷彿とさせる演出」が二つかけあわせて表現されているのが「ジョンからジャックへのバトンタッチ」なんです。
ジョンが父親として、息子のジャックにその身をていして道を示して、それを息子がちゃんとガッツリ受け取ってるのが本当にすごい、かっこいいです。

逆に言うと、ダイハードの1～3ってジョンがものすごーーーーーーーーーーーーくかっこわるいんですね。それがいいんですけど。
だから逆にいうと4でいきなりジョンがかっこよくなっちゃって、なりすぎちゃって若干物足りない気がしていました。いや、かっこいいんですけど。
でも、今回のラストデイでそのかっこよくなったジョンの姿が「父親としてかっこよく見えるんだ」っていうところで、すんなり腑に落ちて飲み込んで広がる爽快さ。

「ダイ・ハード/ラスト・デイ」はダイハードシリーズの中で1番の傑作といっていいと思います。
また自分が何よりステキだな、と思ったのはバトンタッチしたといってもジョンはジョンでジョンであり続けるだろうというのが感じられたところです。

ジョン・マクレーンのダイハードが今後続いてくれるのかどうかはわからないですが、世界で1番ついてないけど、世界で1番悪運が強くてかっこいいお父さんはジョン・マクレーンに他ならないでしょう。

最後に好きなやりとりを。

ジャック「聞いていい？ツイてないだけなの？それとも面倒事がすきなの？」
ジョン「そこを俺も知りたいよ」